用紙の厚さ・重さについて基礎知識を学ぼう
- 2020.07.22
- 印刷まめ知識
印刷を発注する際は、紙の種類だけでなく厚さも選ばなくてはいけません。用紙の種類は決まっても、厚さについては、重さの単位を見ても中々イメージしづらいものです。ここでは代表的な用紙の厚さ(重さ)について解説したいと思います。
紙の厚さの表示はなぜ「kg」キログラムなのか?
紙の厚みなのに単位が「kg」なのは、原紙を1,000枚重ねた時の重さで表すからです。つまり、紙厚が90kgの場合、原紙1,000枚重ねた時の重さ=90kgの厚みを持った紙ということになります。「原紙」とは、仕上がり寸法に裁つ前の元々のサイズの紙のことです。
紙の厚さ
印刷用紙の厚さは主に「坪量」と「連量」で表示されます。
坪量(つぼりょう)とは
坪量(つぼりょう)とは、用紙重量の表し方で1m²当たりの用紙の重さのことです。1m×1mに切った紙の重さを量ったときのグラム数となります。単位はg/m²(グラム平米)で表示します。米坪(べいつぼ)、メートル坪量と呼ぶこともあります。
連量(れんりょう)とは
連量とは、前述したように原紙を1,000枚(板紙の場合は100枚)重ね合わせた時の重さのことです。単位はkg(キログラム)で表示します。一定の寸法の紙を1,000枚重ね合わせた時の重さ=「1連」と呼びます。
仕上がりサイズと紙のサイズ
印刷する紙には、さまざまなサイズがあります。そのため、製作物に適したサイズを知っておくことが肝心です。ここでは、紙のサイズについて解説いたします。
A判(Aばん)、B判(Bばん)
広く一般的に知られているA規格、B規格のサイズです。もっとも汎用的に使用されているA4サイズ(210mm×297mm)、B5サイズ(182mm×257mm)などがあります。印刷データを制作する際などにも、この数値を覚えておくとデザイン制作作業がスムーズになります。サイズについてはサイズ表も参照してください。
四六判(しろくばん)
明治時代にイギリスから輸入されたイギリスの紙の規格である「クラウン判」が元となっています。平版印刷などで使用される原紙サイズの中で、最も一般的なのが四六判です。
四六判の原紙寸法は縦788mm、横1091mmです。出版物によく使用される「4寸×6寸」サイズが取りやすかったため四六判と呼ばれるようになりました。
菊判(きくばん)
新聞用紙に使用する目的で、日本がアメリカから輸入した紙のサイズです。菊判の寸法は縦が939mm、横が636mmです。
「菊判」という名前の由来については、輸入紙の商標にダリアの花が使用されており、菊の花に似ていたことによるといわれています。
菊判は単行本によく使用されるB6やA5などのサイズより一回り大きいサイズのため、書店で目につきやすいという理由から 現在でも書籍などに菊判が利用されることが多くあります。
実際の紙の厚さ
実際の紙の厚さを、一般紙として多用されるアート紙、コート紙、マット紙、上質紙の4種で表にしてみました。
アート紙・コート紙 | マット紙 | 上質紙 | |
四六判 135kg | 0.130mm | 0.190mm | 0.195mm |
四六判 110kg | 0.105mm | 0.145mm | 0.160mm |
四六判 90kg | 0.090mm | 0.115mm | 0.130mm |
四六判 73kg | 0.080mm | ||
四六判 70kg | 0.090mm | 0.100mm | |
四六判 68kg | 0.070mm | ||
四六判 63kg | 0.060mm | ||
四六判 55kg | 0.080mm |
紙の重さの数値が増えると紙が厚くなるということになります。
紙の厚さは表を見ると分かるように、同じ斤量でも紙の種類が違うと厚さは変わってきます。
紙の厚さごとの特徴・用途
紙の厚さごとの特徴や用途をまとめました。ご注文する際の目安にしてください。
連量 (コート紙、マット紙、上質紙) | 厚さの目安 | 特徴・用途 |
55kg | 0.08mm 折込チラシ | 一般的なコピー用紙より少し薄い用紙です。 ページ数の多い冊子の本文用紙などに良く使われます。 |
70kg 73kg 中厚口 | 0.08mm〜0.10mm コピー用紙 | 一般的なコピー用紙とほぼ同じ厚さです。 新聞折込やポスティングのチラシ、冊子の本文用紙などに良く使われる薄めの用紙です。 |
90kg 厚口 | 0.09mm〜0.13mm チラシ、ポスター | チラシやフライヤー、カタログなどの冊子の本文用紙に良く使われます。 一般的な折込チラシより少し厚いので、しっかりとしたチラシを作りたい場合にお勧めです。 |
105kg 110kg 特厚口 | 0.10mm〜0.16mm チケット、パンフレット | ある程度の厚みがあり、パンフレットやポスター、会社案内、商品カタログの本文用紙に良く使われます。 |
130kg 135kg | 0.13mm〜0.19mm カタログ、パンフレット | しっかりした厚みがあり、パンフレットやポスター、会社案内、CDジャケット、商品カタログの本文用紙などに使用されます。 |
150kg 180kg | 0.21mm〜0.26mm はがき、名刺 | 官製はがきとほぼ同じ厚さです。ポストカードやDM、名刺、ショップカードなどにお勧めです。 |
220kg | 0.25mm 厚めのポストカード | かなりしっかりとした厚みとコシがあります。 ポストカードやDM、厚めの名刺、メンバーズカードにお勧めです。 |
紙が厚い場合の注意点
インキの乾きが悪い場合が多くなります。また、折をする場合、事前にスジを入れないと背割れが発生することがあります。
紙が薄い場合の注意点
ベタの多い印刷は、裏に透けて見える場合があります。また、紙インキ量が多いとラッピングやブロッキングなどの印刷エラーが発生しやすくなります。極端に薄い用紙の場合は、用紙のセット・通しが困難となってしまいます。加工作業については、用紙が薄い場合は折や製本など難しい場合もあります。
まとめ
用紙選びは、印刷物の仕上がりを左右するもの
デザインももちろんそうですが、紙の選び方によっては、クオリティの差が出てしまうこともあります。用紙によって、重厚感や高級感を演出したり、簡単に手にとってもらう気軽さもアピールできる要素とも言えます。今回の記事が用紙選びの参考になってもらえると嬉しく思います。
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